HOME | 2016年 北海道札幌大会

更新日 2018-08-29 | 作成日 2018-07-27

KEY WORD 「こどものための哲学 P4C」「対話による美術鑑賞」「美術による学び研究」「美術教育普及」

幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校
「造形表現・図工・美術」の時間は
どうあるべきかを考える。
「美術による学び」という視点から

 9月17日(土)18日(日)

               会場 北翔大学北方圏学術情報センターPORTO
                  札幌市中央区南1条西22丁目1-1 

               (地下鉄「西18丁目駅」あるいは地下鉄「円山公園駅」から徒歩5分)


 美術教育の世界では、昨今 研究が進み、多くの成果を上げています。鑑賞教育のここ10年の発展ぶりなどは象徴的な出来事でしょう。しかしながら、教育全体を見渡すと図工・美術の時間数削減、旧態然とした画一的な授業や作品作りが目的化した授業の存在、免許外の教員による指導、教員減による研究組織の弱体化など、問題は山積みという現実があります。こうしたことは、美術教育界の中だけで美術教育の向上を目指そうとしてきたこともその一つの理由としてあるでしょう。この反省に立ち、「美術による学び」という理念を再度確認しつつ「子どもの学び」をより豊かにしていくための「授業改善の提案」と「美術教育普及」のあり方について考える会にすることにしました。この会をきっかっけに様々なアクションが起こり、「美術による学び」の成果が広く普及されていくことを願っています。

    参加費 1000円(学生は無料) 懇親会費 4500円

  主催 北翔大学北方圏学術情報センタープロジェクト研究美術グループ(北翔大学美術研究グループ)
      美術による学び研究会

9月17日(土)
「美術による学び」と「日々の授業」

スペシャルゲスト「こどものための哲学 P4C」

受付開始12:30

第1部 美術による学び、子どもの学びについて考える 13:10
   「こどものための哲学」と「対話による美術鑑賞」
     シンポジウム 上野行一 河野哲也 井尻貴子 山崎正明

第2部「美術による学び」と「日々の授業」14:50~18:00

*「造形表現・図工・美術の時間展」報告   山崎正明(北翔大学 教授)
*「子供の活動の姿から子供の学びを見とる」 丸谷雄輔(札幌ゆたか幼稚園 園長)
*「日常的な図工の授業こそ大切に」      岩崎愛彦(北広島市立大曲小学校 教諭)
* 子供が「美術による学び」を意識する授業  鷹野 晃(山梨県中央市立田富小学校 校長)
*「生徒自身が3年間の学びを振り返る」   石川早苗(札幌市立八軒東中学校 教諭)
*「美術館の教育普及」           磯崎 亜矢子 (共和町西村記念美術館)

・懇親会 別会場にて 19:00


9月18日(日)
「これからの美術教育のために」


第3部 ワークショップ ミニ講演 分科会(A郡、B郡から一つずつを選んで参加)


受付開始 9:30


前半 10:00-11:30

A-1 ワークショップ「こどものための哲学」の方法を学ぶ
   河野哲也(立教大学文学部・教授)井尻貴子(NPO法人 多様性と境界に関する対話と表現の研究所)
   村瀬智之(東京工業高等専門学校一般教育科 准教授)
A-2 実技研修「人間や人の動きを表すにはどうしたらいいのだろう?」鷹野 晃(田富小学校 校長)
A-3 望ましい教室環境」子供の学びを豊かにするための環境構成   岩崎愛彦(大曲小学校 教諭)
A-4 作品やワークシートから見た中学生の学び~語り合おう    渡辺麻子 (江別第一中学校教諭)

昼休み 11:30-12:30


後半 12:30-14:00

B-1 「対話による美術鑑賞」学ぶワークショップ      上野 行一(美術による学び研究会代表)
B-2  幼児教育「レッジョエミリアの報告」と実技研修    奥平真由子(ぺたんこクラブ 保育士)
B-3 子供の「見る」こと「表現」することを考えましょう 大杉 健(東京都府中市立若松小学校教諭)
B-4  中学校・高校「授業づくりの工夫」交流し、学びあおう 石川早苗(札幌市立八軒東中学校教諭)


第4部「みんなで語ろう〜これからの美術教育」14:00-15:30

「『私は頑張っている』から『みんなができる』へ  ガイド 岩崎愛彦


参加申し込み

 ※メールでの受付となります。振込先は受付完了メールにてお知らせします。
  参加をご希望の方は、必ずe-mailでご予約をお願いします。
 yamazakimasaaki@mac.com 
メールの件名に「美術による学び」としてださい。以下6項目を記入してお申し込みください。
(1)氏名
(2)所属
(3)連絡先(①パソコンのメールアドレス、②電話番号)
(4)参加する日(17日、18日)
(5)1日目(9/17)夜の懇親会参加の有無
(6)9/18のワークショップ参加希望講座 
(前半) A1~A4のうち、第3希望まで。(記入例 A3 A2 A1) (後半) B1~A4のうち、第3希望まで。
 ご希望に添えない場合がございます。事務局より参加受付の確認メールを1週間以内に送付します。返信メールが届かない場合は、お手数ですが再度お知らせください。

*ワークショップB1(上野行一先生)は満席となりました。ご了承ください。


今大会は、事前申し込み制となっておりますので、ご注意ください。


受付期間※メールのみでの受付となります。ご了承ください。
会費振込み期間※振込先は受付完了メールにてお知らせします。

美術による学び研究会の主旨





近年、アメリカやイギリスの教育界ではeducationという言葉が影を潜め、learningという言葉が多用されてきています。
 これは学校教育の場に限ったことではなく、美術館など社会教育の場でも同様の現象だといわれています。同様にわが国でも、「学びの○○○」や「○○○な学び」のように、学び(learning)を視点とした教育論や授業改革が広まってきています。


 教育(education)という言葉にまとわりついた「教師→学習者」という一方通行的な、知識伝授のイメージを払拭し、教育を学習者の視点から捉え直し再構築するという意味で、学び(learning)という言葉が流通しているのでしょう。


 学習者間の相互作用や共同性、体験や身体性からの育ち、一人ひとりの学びかたや個々に達成されたことなどを重視する学びという視点は、美術の教育においてこそ必要不可欠であると考えます。
 たとえば、相互性や共同性の具体的な表れである対話やしぐさに着目した授業分析、個々と集団における意味生成を充実させる鑑賞や表現のあり方、一人ひとりの育ちや変容の具体的な探究などが、学びという視点からの研究の焦点といえるでしょう。


1953年に翻訳刊行されたハーバート・リードの『美術(芸術)による教育』(“EDUCATION THROUGH ART”)は一つの時代を画しました。それから55年間、わが国の美術教育界ではその時の世相や社会の動向に敏感に応じながら様々な研究がなされてきました。


 それらに敬意を払いつつ、いま私たちはこの名著になぞらえ、「美術による学び」(LEARNING THROUGH ART)について研究することを提唱します。

2008年2月23日
上野行一

17日のシンポジウムは1階ホールで開催します。
18日のワークショップは5階の会議室でおこないます。
なお、3階の「ギャラリーB」では「美術の時間展」を開催しています。