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更新日 2018-08-29 | 作成日 2018-07-27

「美術による学び研究会」東京・府中大会に向けて
 インタビュー!


武居 利史さんに聞く


学び研、東京府中大会事務局の大杉健です。

さて、大会が一ヶ月後に迫りましたが、この大会でどのような方がどのような提
案をなさるのか、とても気になるところです。
そこで、突然ですが、事務局が皆さんに変わりまして、「その気になるところ」
直撃インタビューを敢行することにいたしました!!!
時間のある限り、多くの提案者の方にインタビューをしていきたいと思います。

まず、はじめに登場していただくのは、この大会でも授業や会場等で大変お世話になります府中市美術館、武居学芸員にいろいろお話を伺いたいと思います。

この度の学び研東京府中大会では、いろいろお世話になります。どうぞ、宜しくお願いいたします。

府中市美術館の武居です。
遠くから来ていただく方もあるようでありがとうございます。
府中市にはじめていらっしゃる方もあると思います。
どうぞ、よろしくお願いします。


まず、はじめに府中市美術館のことについてお聞きいたします。府中市美術館は、
東京多摩地区でも有数な美術館だとお聞きしています。そこで、この府中市美術館を一言でいうとどのような美術館なのでしょうか?

府中は、多摩と呼ばれる東京西部地域の要衝にあり、
古代に武蔵国の国府がおかれていたのが名前の由来です。

美術館の基本テーマは「生活と美術—美と結びついた暮らしを見直す」です。
近現代の絵画を中心としたコレクションとユニークな企画展で
幅広い方々に楽しんでいただけるよう、工夫をしています。

また、市民とともに地域に密着した活動に力を入れおり、
学校や作家と連携した教育普及活動もさかんです。


中規模の公立美術館としては、教育普及も含めて
総合的な活動に特徴があると思います。


なるほど、そのような地域密着型の美術館なのですね。
ところで、今話された教育普及の活動は、どのぐらい前から取り組み出したのでしょうか。

2000年10月の開館以前から、美術館の基本計画のなかに
美術館本来の使命である収集・保管・展示・調査研究といった活動とともに、
教育普及を一つの大きな柱として取り組んでいくということが明示されていました。

私は開館の2年半前から、そのための学芸員ということで
採用されまして、準備段階から教育普及活動を担当してきました。
ですので、教育普及活動はおよそ10年になります。

ただ、学校との連携は、最初からすべてできていたわけではなく、
時間をかけてネットワークを築いてきた観があります。


ということは、美術館の歩み=教育普及の歩みということもいうことができるわけですね。

では、これまでの活動の中で、困ってしまったな、悩んでしまったなというような出来事はありましたでしょうか。

悩むことはあまりないですが、困ったことはしょっちゅうですね(笑)
教育普及に関しては、やるべきことはたくさんあるので、
何をしなければならないかで悩むことはないのですが、
企画を実現したり、成果をあげたりするには、困難が伴います。

難しいのは、制度の枠にとらわれない作家と仕事をすること、
ゆれうごくさまざまな利用者が常に相手であることです。
作家が非常識すぎる、参加者が集まらない、
いろいろやるなかでは、そういうこともときにはあります。



>そんなご苦労もあるのですね。
このようなことも含めて、実際の活動の様子につきましては、二日目の武居学芸員さんの提案の中でいろいろとお聞きかせください。

それでは次の質問です。今回、武居さんは提案だけでなく、授業者にもなっていますね。

はい



今度の公開授業も楽しみにしています。
その授業では子供達はどのような作品を見ることになるのでしょうか

美術館の2階はすべて展示室になっており、
企画展示室、常設展示室、牛島憲之記念館に分かれています。
公開授業はそのすべてにまたがって行われる予定ですが、
私の担当するところでは企画展示室が中心になるでしょう。

企画展示室では展覧会「ノーマン・ロックウェル
—オールディーズ、愛しき素顔たち」を開催中です。
アメリカの国民的画家・イラストレーターの作品を
同一主題の写真家の作品とあわせて見ていただきます。

授業内容は検討しているところですが、
アートゲーム的な要素を取り入れたものになるでしょう。


愉しい授業になりそうですね。

それから、展示室内での授業に関してですが、
ご覧になるみなさんに、あらかじめお願いがあります。
公開授業のときは、一度にかなり大勢の方が展示室内に入ることになります。
一つは作品の安全、二つは一般のお客さんへの配慮をお願いしたいのです。

大勢がいるだけで、過って作品に接触する危険性や、
他の観客の鑑賞や通行を妨げる場合があります。
展示室内は撮影も禁止させていただきます(報道機関の
取材等での撮影はあらかじめ受付にお申し出ください)。

ご理解いただけるとは思いますが、
ついつい子どもや授業に見とれていると
展示室内であることを忘れてしまいがちです。
作品と観客のために、ご協力をいただければ幸いです。


そうですね。通常開館時の授業ということで、見る私たち側も十分注意が必要ですね。
それでは、最後の質問になってしまいました。
学芸員さんという立場でも美術を好きな一人としてでも結構です。
「今、子供を中心に つながる」ということ、
武居さんが気にしたいことまたは大切にしていきたいことをおきかせください。

「美術を大事にする」ということです。
いまは美術を利用しようという考え方がつよい時代です。
企業からも行政からも、美術の効用ばかりが求められ、
利用価値のない美術は見向きもされません。

しかし、どのような美術作品であれ、
そこには作者の真実がこめられており、
一つひとつに多様な価値観があるといってもよいでしょう。
美術はそれぞれが大切にされなければならないと思います。


鑑賞教育も、作品を教育に役立てるという点では
美術を利用しようとするものにほかなりません。
けれども、美術は人間の価値意識を具現化したものですから、
それによって育つ力とは、人間の生きるということの
本質に関わるものです。
「美術を大事にする」とは、人間を大事にする態度につながります。

美術のあり方を見直し、美術館の職員としては、
当たり前の「美術を大事にする」を基本にしながら、
「美術による学び」というものを考えてみたいと思います。


「美術を大事にすること」は「人間を大事にすること」、このことを大切にして、つながっていけたら、すばらしいと思います。
 本日お話をお聞きして、当日がますます楽しみになって参りました。大会当日も、どうぞ、宜しくお願いいたします。
 さて、
武居学芸員さん、今回の大会の事務局も担当されています。事務局からの連絡が皆さんにあるようです。

一日目26日(土)懇親会(20:30まで)のあと、
より親交を深めたいという方のために、二次会も計画しています。
京王線府中駅から徒歩10分の「割烹 番場屋」という
昔の甲州街道の宿場の趣きのある料理屋があります。
そこに予約をしていますので、当日懇親会場で行き方をご案内します。
会費は、参加者で割り勘となります。
ご希望の方は、ぜひご参加ください。
・・・・・・・


 ということは、宿をとるときは府中駅周辺が便利ということですね。
本日はありがとうございました。

東京府中大会の事務局の大杉です。
多くの方々の申し込み、ありがとうございます。
今回は、参加型というタイトルをつけています。
当日、府中に来られる方々、また、このMLをみていてくださる方々、いろんな方
が話の輪に加わってくだされば、幸いです。
テーマは、「今、子供を中心に つながる」です。
取り組んでいること、以前の取り組みでいい感じで進んだこと、また反対にうま
くいかなかったこと、今度、また、あと少ししたら取り組んで見たいことなど
いろいろなご意見をいただけるとありがたいです。


鈴木斉さんに聞く


学び研、東京府中大会事務局の石垣です。

だんだん、暖かくなり暑い季節の到来を予感させる今日この頃ですが、学び研の皆様はどうようにお暮らしですか。
今回の研究会は東京での開催になり、私も準備に参加させていただいています。

さて、今回は、恐れ多くも、本研究会の常連といっても過言ではない鈴木斉先生をインタビューさせていただきます。
実は、鈴木先生とは教員時代から、かれこれウン十年になりますが、面と向かってお話しするのはこれが初めてです。
ネットの力を借りて、突っ込んだお話をお聞きしていきたいと思います。

では、鈴木先生よろしくお願いいたします。始めに、この学び研のかかわりやはじまりの話からお聞きしたいと思います。

そうですね。
学び研の前身の鑑賞フォーラムに参加した事が始まりです。
上野先生からお誘いがあり、鑑賞の指導に悩んでいた事もあって、高知で開かれた第三回鑑賞フォーラムに参加した訳です。
そこで大きな衝撃を受けました。恥ずかしながら打ち明けますが、それまで制作ばかりに力が入っていて、私は「対話型鑑賞」という言葉も知らなかったのです。
目から鱗でした。それにも増して、その会の発表者の面々の、なんと充実していた事か!
懇親会での最後に回ってきた私の感想の第一声を今も覚えています。「今までいろんな研究会に参加してきたけれども、こんな充実度を感じた事は初めてです!」
まだ、そのときの充実感はこの胸の中にあります。

そしてその後の「学び研」の立ち上げには、躊躇なく手を挙げた次第です。
そして、昨年二月に文科省講堂で行われた、第四回鑑賞フォーラムで発表の機会を得、学び研の事務局の一員に入れていただき、これまですべての学び研に参加しています。
すべての会員が、様々な職種を超えて、フラットな関係で子供の美術教育を語れる「学び研」を、今後も大切にしていきたいと思っています。


学び研の前身は鑑賞フォーラムにあったんですね。
たしかに、これまでの教科の重点に、「対話型鑑賞」ということに注目して、子供との関係を考えていく方向は少なかったように思います。
鈴木先生の衝撃は、この私も感じました。

では、話を進めたいと思います。さて、先生は今大会の一日目の提案者になられていますが、今回の提案はどのような内容になるのでしょうか?
ここでは、ダイジェストでお知らせいただきたいのですが・・・

実は既にお知らせしましたが、一身上の都合で、この春退職しました
現場を離れたものが、提案などしていいのかとも思ったのですが、チャンスをいただきました。

まず一つ目、以前から主張している、「いつでも、どこでも、どこにも美術」。
つまり、学校生活のあらゆる場面で美術の学びの場を設定することが 美術教師としての使命ではないかという事を、これまでの33年間の実践を振り返りながら、紹介したいと思っています。

二つ目、そのためには、教師が一人で踏ん張っているのではなく、地域の方々や小、高、大の異種校の方々、協力してくださる様々な外部の方々と、「つながる」ことが大切ではないか、という提案。

そして三つ目に、なによりこの春中学校現場に真に迫ってきた、「専任なし」の危機感の現状に対する思い。
これらを生徒たちの制作の姿の画像をもとに、提案できたら、と考えているのですが・・・


なるほど・・三つの柱からなる提案ですね。
一つ目は校内での、美術教師の想像力を生かした美術的かかわりですね。
二つ目が、地域や異種校とのつながり。
そして、三つ目が、美術教師お役御免の危機ですね。
どれも、鈴木先生が、子供たちの育ちに直面しながら、感じたり行動してきた経験に基づくお話ですね。今すぐにでもお聞きしたいです。

では、次に今大会から始めようとしている「みんなで語ろう会」の話に移りたいと思います。
これは、参加した方々の経験や素朴な疑問をみんなで出し合いながら共有し、それぞれの現場で生かしていける話し合いにしていこうと考えています
今回のテーマは「今、子供を中心につながる」です。
さて、鈴木先生がどのようにお考えでしょうか。
とても、興味深深です。
ちらっと、お聞かせ願いますか?

実は、事務局の大杉先生とテーマについてやり取りをしていく中で、最後に私が提案した語句が、この「今、子供を中心に、つながるということ」だったのです。
小、中、高、三人の提案に共通しているキーワードが、「つながる」という言葉です。
そして、この府中大会のキーワードが、「子供がいる」「参加型」提案の最後で私が呼びかけた事をもとに、参加された方々、参加できなかった方々も、過去に「つながる」ことをもとに実践したことや、今「つながっている事」、これから「つながる」ことを大切にしてやってみたい事などを、ざっくばらんに意見交換できたら、と思うのです。

そのこと自体がつながる事でもあり、そこから生み出されたエネルギーを、それぞれが持ち帰ることができたら、と考えています。

提案でも触れますが、昨年度の私の実践は、地域のアーティストと、地域の施設と、旅するムサビと、ムサビの映像表現の学生たちと、青空BOOKというカメラのプロジェクトの方々と、そして学校行事と・・・。
もちろん、学び研の方々とも。「つながる」ことから様々な取り組みを生徒とともに実践できました。
周りの多くの方々の力をいただいて、生徒とともに幸せな創作の日々を過ごせたと感謝しています。

教師は閉じこもっていないで、窓を開け放って、いろいろな新鮮な風を取り込むべきだと感じているのです。
そんなとこでいいですか?



なるほど・・・・!!!
美術でつながることが、人の育ちに大切なこととなることを、私たちはもっと強く意識しなければいけないってことですね。
なんだか、とても当日が楽しみになってきました。
鈴木先生、本日は遅くまで、ありがとうございました。
最後に、今大会の準備委員としてのインフォメーションがありましたら、お願いします。

私は一日目の懇親会の担当です。
学び研と言ったら、夜の部の研修も重要なタイムです。
いや、夜の方が・・・という人もいるほど!
山梨大会の鷹野先生のワインリストとまではできませんが、府中と言ったら、ユーミンの中央フリーウェーにも出てくる、サントリービール工場。
六月下旬の蒸し暑さを、工場直送の生ビールで吹き飛ばそう! なんて企画しています。
府中には、銘酒「国府鶴」もありますよ。

懇親会会場は移動の必要なし。研究会会場を出て、階段を転げ落ちたら、そこにあります。
素通りして帰るのは、難しいんじゃないかなあ。
今からでも申し込みのし直しをお勧めしますよ。
そうそう、図工・美術の創作現場の写真も募集するつもりです。
子供たちの姿を、みんなで見て、みんなで語りましょう。


ますます楽しみです。
ぜひこの機会に、まずは、ご自身がつながれるように、ご参加をお待ちしています。

市川 祥子さんに聞く


東京府中大会の事務局の大杉です。
多くの方々の申し込み、ありがとうございます。
今回は、参加型というタイトルをつけています。
当日、府中に来られる方々、MLに参加されている方、ウェブサイトをみていてくださる方々、いろんな方
が話の輪に加わってくだされば、幸いです。

テーマは、「今、子供を中心に つながる」です。


取り組んでいること、以前の取り組みでいい感じで進んだこと、また反対にうま
くいかなかったこと、今度、また、あと少ししたら取り組んで見たいことなど
いろいろなご意見をいただけるとありがたいです。

さて、インタビューです。
東京・府中大会インタビューその3は、小学校の発表をお願いしています市川先
生です。インタビューは、事務局大杉が担当させていいただきます。

(大杉)本日は、どうぞ、宜しくお願いいたします。

(市川)はい、こちらこそ、お願いいたします。


(大杉) それでは、さっそくお聞きいたします。今回の市川先生の発表では、さ
まざまなつながりについての実践から提案をしていただけるときいています。それ
は、どんなつながりなのでしょうか?

(市川)私は、ごく普通の図工教員です。私なりに普段やっているの学校とのつながり、
美術館とのつながり、多摩美術大学とのつながり、作家とのつながりなどの実践を
報告したいと思います。このようなつながりの中で、私なりに考えている子供の学び
を提案できればと思っています。


(大杉)いろいろなつながりのお話をお聞きできるということですね。楽しみです。

(市川)いろいろなつながりと言っても、これらのことは、特別というのではなく、
授業の一つとして取り組んでいることです。それに、子供たちが小学校うちの
どこかでつながりる愉しい経験ができることが大事だと思っています。


(大杉) 授業の一つとしての取り組みということですね。この自然体が
すてきですね。子供達にとっても、つながるということがとても愉しい取り組みに
なっているということですね。では、その中から、発表に先駆けて、幾つかの事例を紹介
していただけたらと思います。

(市川)私のところでは、子どもたちや、学校の地域や事情、学年の様子に
合わせたつながりになっています。たとえば、うちの学校は調布の駅前で、
府中市美術館は、同じ京王線の東府中で、近くです。その府中市美術館に
5年生が行きました。これは、地域の事情ですね。


(大杉)近くといっても、電車に乗って出かけることになるのですよね。
電車賃だとか、行き帰りの時間とか、実現させるまでにはいろいろなハードルが
あったのではないでしょうか。

(市川)はい、それなりに。でも、そのことが子供にとって大切なことなんだ
ということを伝えることによって実現することができました。いろいろチャレンジ
してみると、実現できることも結構あるのではないでしょうか。


(大杉)なるほど、その実現へのプロセスも発表の時にぜひ、お聞かせください。
ところで、つい最近、子供達と作家の方のアトリエを尋ねたというお話をお聞きしました。
「作家のアトリエを尋ねて鑑賞」という取り組みはどのようにして 実現できたのでしょうか。

(市川)実は、教えている子どもの保護者(祖父)が彫刻家だという話を聞き、
6年生がその作家のアトリエ訪問をさせていただいた訳です。


(大杉)その彫刻家って、どなたなのでしょうか。

(市川)それは、彫刻家の掛井五郎さんです。とても、親切で情熱的な方でしたよ。
それに、何回もお邪魔したのにとても楽しいお話を、何回もしていただいて・・・。


(大杉)えっ、あの掛井五郎さんですよね。子供達もきっと喜んだんでしょうね。
子供達と作家、どんな会話をしたのでしょうか。
もっと、お話をお聞きしたいのですが・・・・。それは、26日ですね。
はやくお聞きしたいです。
さて、市川先生は今は、小学校の図工専科ですが以前は、中学校の先生を
なされていたとかお聞きしました。中学校と小学校、違いはありますでしょうか。

(市川)もう20年ほど前になりますが…以前は中学校の美術の先生をしていました。
校内暴力が世の中を騒がせていた時代です。
中学校の大変さは、教科の指導だけでないということがあります。
子どもたちと一緒に、体当たりで(心や精神的な部分も含めて)過ごすことだと思います。
でもだからこそ小学校より深く広くつながれるかも、と思ったりもします。
小学校の大変さや、楽しさは理屈ではない子どもらしさのきらめきが毎日あり、
それが大変なところでもあり素敵なところでもあります。


(大杉)幼小中高大大人という流れの中で見たとき、小学生はどんな時期だと市川先生は考えますか。

(市川)一番本質的なことを、感覚的、直感的に掴んでくれる”時”だと思います。
好きとか嫌いとか、生きることや生活そのものが感覚的ですから。


(大杉)<みんなで語ろ>のセクションでは、「今、子供を中心に つながる」というテーマでみんなで語り合いたいと考えています。このことについて、市川先生お考えをもう少しお聞かせください。

(市川)子どもたちを中心にということについては、結局は私たちが
毎日一緒にいる子どもたちに対して、どう接するか、何をみとれるか。
自分との戦いですかね・・・?大人目線でなく、子どもたちはどんなことを考え、
必要としているのか、どうしたらお互いに素敵な時間を共有できるか、ということです。
今、つながるということについては、大事なことは、今、目の前にいる
自分の学校の子どもたちと何ができるか?だと考えています。そのためには、
自分自身がいろいろなこと、人、場とつながれることだと考えています。
学び研での発表もその一つだと考えて、実は皆さんに何か提案できることなどたいし
てないのですが・・・、今回やってみようと思ったのです。今回の経験からも何か
使えるものが、または、使える人(…笑い)がいないかと考えています。


(大杉)本日は、とても、深いお話、どうもありがとうございました。当日には、さらなる
いっぱいの勇気と知恵がもらえそうです。どうぞ、よろしくおねがいいたします。

上野 行一さんに聞く



さて、今日はいよいよ今大会でも発表者として名を連ねてい
らしゃる、本研究会の会長である上野行一先生にインタビューさせていただこ
うと思います。

(石垣)本日は、忙しい中、このネットインタビューの時間
をとっていただきありがとうございました。

(上野)こちらこそ、大会運営にあたっては事務局の皆様方の
お世話になりっぱなしで、恐縮しています。よろしくお願いします。


(石垣)今回は鈴木先生に続き上野先生のインタビューということで、
この学び研の発足のエピソードや思いなどをお聞きしてきたいと思います。

(上野)学び研と鑑賞教育フォーラムは双子です。
二卵性ということになっています。
2006年から日本学術会議の助成で対話による鑑賞の研究を5
名のメンバーで 始めました。
その5月に第1回の鑑賞教育フォーラムを開催し、鑑賞という
行為についての意見交換をしました。
2時間程度60人ぐらいの小会議でしたが、
北海道からも参加される方がおられ、
鑑賞教育への熱が高まっていることを感じたしだいです。
その後2回、3回と1年おきに高知で開催してきました。
わざわざ高知まで毎回100名を越える方が参加される中考えたことは、
どのようにして継続していくかということでした。
助成が終わり、研究メンバーが解散しても継続するにはどうすればよいか。
また、鑑賞教育だけでなく、
鑑賞を基点に美術教育そのものを見直していく発想の研究会の必要性を感じ、
美術による学び研究会を立ち上げたしだいです。


(石垣)なるほど・・・始まりは2006年から始まる、鑑賞の研究にあたので
すね。
学び研として、大会を各地で企画してきたわけですが、今までの大会を振り返る
とどんな感想をおもちですか?

(上野)会員のみなさんの熱意にただただ感謝するばかりです。
第4回鑑賞教育フォーラムの2次会に参加された方(40人近い?)はご存知なの
ですが、
北海道大会も山梨大会も、その場で気運が盛り上がり、開催に至ったわけですね。
私としては研究助成がさらに3年間いただけるということで、
1年後に鑑賞教育フォーラムを開催し、
そのときに学び研の大会を併設して(双子ですので)やろうという心積もりだった
のですが、
会員の熱意が会を動かしどんどん自立して行ったのです。


(石垣)鑑賞フォーラムをしのぐ盛り上がりで、学び研の大会が盛り上がってき
たいう
いうわけですね.美術教育の研究会はたくさんありますが、本大会が地域を超え
てこ
のように盛り上がっている背景というのはどんなところにあると感じていらっし
ゃいますか?

(上野)「美術教育の研究会はたくさんあります」とおっしゃいますが、
それらは基本的に「表現」の研究会であり、
「教材」の研究会であり、「指導法」の研究会という性格が強いものです。
なかには特定の教材や指導法の講習会のようなものもあります(笑
美術教育の危機はますます増大していますが、
それを乗り越える装置になりうるのかというと大いに疑問ですね。
現状の危機を招き増大してきたのは何に問題があったのか。
研究会で言われる崇高な理念が実践の場で活かされてこなかったのは、
何が原因なのか。
2008年2月の学び研発足のときにも申し上げたように、
表現からではなく鑑賞から美術教育を見直してみるという視点、
教材や指導法ではなく、子どもの学びから考え直して見るという視点、
(トップダウン型研究からボトムアップ型研究へ)
この二つの視点によって、
より教育学的に(ごく一般的な)教科教育研究ができるのではないか。
それは美術教育を考えるパラダイムの転換となるはずだ。
このような意識を持っていらっしゃる方々が地域を越え、
校種を超えて参集されるのは自然なことでしょう。


(石垣) おっしゃるとおりです。
カリキュラム在りきの授業には、ほとほとくたびれている方がたくさんいらっし
ゃるのではと、推察いたします。すなわち、技術、形式から、心の動きをみてい
く教科への変換期なのでしょうか?
学び研にお集まりの方々は、そこのところにつまり、”子供に寄り添って提供す
る学び”とでもいうようなところに興味をもってお集まりになっているのでしょ
うか?

(上野)教育は本来そうした機能を根幹に持っているのです。
それを人間形成というと堅苦しいですが、
教科内容を「伝授」するのは真の目的というよりは、
むしろそのための方法、メディアという見方をした方が良いと思います。
とりわけ芸術教科はそうではないでしょうか。


ありがとうございました。
最後になりますが、今大会は「みんなで語ろう]の企画がされています。
そこでのテーマが、「今、子供を中心につながる」です。
先生はどのようにお考えですか?

(上野)異校種での語らいの場では、もっぱら校種間のつながり、校種ごとの違
い、また「発達段階」などの上から目線の話に行きがちですが、
こども目線で観ると共通するもの変わらないものが見えてきます。
それぞれの報告からこどもたちの学びの状況を学ぶという姿勢でご参加いただき、
何かを共有していただけたらありがたいです。
そのような意味でみなさんがつながり、
北海道、山梨に負けない熱気溢れる大会になることを期待しています。
怒涛の懇親会(by黒木)も、サプライズ(あるかな?)もご期待ください。


(石垣)
長時間にわたり真剣にインタビューにお応えいただきましてありがとうございま
した。
最後の最後になりすいませんが、これからの学び研の進むべき道をどのように
お考えか、お聞きしてこのインタビューを閉じたいと思います。

(上野)組織論としてどうしていくかが課題ですが、腹案(笑)はあります。
こどもの学びから学ぶ、という基本理念は変わりません。鑑賞という視点から表現を考え直す、
校種や制度などのさまざまな壁を越えて考える、という方向も変わりません。
壁には「教科」も含まれます。
この先、art educationではなくarts educationだという認識がないわが国の美術教育のガラパゴス化がますます顕著になる中、
学び研の研究姿勢はさらに注目されるのではないでしょうか。


(石垣)お疲れ様でした。
これからも、多くの方々が、子供の育ちを考える時の指針を美術を通して深めて
いいけたらと、思います。

鎌田 悟さんに聞く


(事務局)インタビューシリーズ、第5回。今回は、秋田県の鎌田悟指導主事さ
んになります。先生には、今までにない新たな切り口ということで行政側からの
ご提案をしていただくことになります。鎌田(かまだ)先生、よろしくお願いいたします。

(鎌田先生)
はい、よろしくお願いいたします。


(事務局)これから、いろいろお聞きするわけですが、その前にぜひ、お聞きし
ておきたいことがあります。指導主事の先生をお呼びするときは、○○先生とい
う呼び方でよろしいでしょうか。

(鎌田先生)
 私は、OKです。教壇に立つことは、ほとんどないのですが、教員であることに
かわりありませんから。


(事務局)分かりました。それでは、改めてお聞きします。
 今回は、行政からの提案ということですが、どのような切り口からお話の展開が
あるのか、とても興味があります。少しお話をいただけるとありがたいのですが。

(鎌田先生)
 私たちは、学校訪問指導、各種事業の運営等をおもな業務としておりますが、
学校の外にいるわけですから、学校の様子を違った別の角度から見ることとなり
ます
 客観的に学校や図画工作、美術が見えているのかもしれません。蟻の目、
鳥の目で見て、学校間、関係機関等とをつないでいく役目でもあると考えています。


(事務局)直接はつながりづらい学校間などをつなぐと同時に助言していくとい
うことですね。学校訪問をして子どもたちはどんな様子ですか。
 最近、印象に残ったことなど少しお話しいただければと思います。

(鎌田先生)
 どんな学校に訪問に行っても、子どもたちは、明るく元気な印象を受けます。
そんなに違いはありません。 ただ違いがあるとすれば、先生方の指導、学校の
校内研究への取り組みです。図画工作・美術の指導に悩んでいる先生方は多いと
感じています。
 悩んでいる先生の授業は、子どもも何をすればいいか分からなかったりしますよね。
そんな先生方をサポートするのが、私たちの仕事でもあります。
授業改善が必要なのは誰しも分かっていることですが、何をどう改善していけば
いいのか、自分で自分のことを改善していくのは難しいですよね。
 指導主事として何ができるか、しなければならないのかを考えながらの日々です。


(事務局)
 多様な活動が求められるということですね。

(鎌田先生)
 学校間や、関係機関等とつないだりするのは、基本的な仕事ですから、当然しなけ
ればならないことですが、いわゆる、お役所仕事ではなく、その質の向上を図る
という意味では、やり方は様々です。創意工夫が求められます。
実践→検証→改善の繰り返しですが、 秋田での取り組みが、発表内容が参加者の
皆さんに対して、問題提起や今後の指導の方向性の一助になればと考えています。
 発表内容のキーワードは、「チーム対応」「焦点化」「授業改善」「・・・・・」この辺で
秋田での取り組みを発表したいと思いますが、まだ整理途中です。 


(事務局)発表のキーワードを聞いていると、即実践に結びつきそうな内容ばか
りですね。詳しい発表がとても、楽しみです。
それでは、皆さんに聞いている質問です。
今回の<みんなで語ろう会>のテーマが「今、子供中心につながる」ですが、
このテーマにかかわる鎌田先生の今後のプランをお聞かせいただけないでしょう
か。

(鎌田先生)
 もちろん子どもたちのために何ができるかということなのですが、第一に授業、
第二に子どもを取り巻く環境について、様々な課題を解決していくことになりま
す。
 あれこれ考えているのですが、特に、先生方のために、対話型鑑賞のような、
シンプルで具体的な授業を考えています。
 イメージ的には、子どもが、考え、体を動かす授業かな。図画工作・美術における
表現は、頭(思考)と身体をバランス良く使うことだと思っています。
不易と流行に留意しながら新たな提案をすると同時に、先生方には、良い授業の
イメージをもってもらうことを大切に考えています。
発表は、30分ですし、業種上、内容が堅苦しくなりがちですので、懇親会などでも
いろんな話ができるといいですね。


(事務局)本日は、大変、お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがと
うございました。先生は、懇親会にも参加しいただけるようです。
午後の会だけでなく、夕方からの懇親会でもよろしくお願いいたします。

お忙しい中での鎌田先生へのインタビューでした。ありがとうございました。

徳山 高志さんに聞く

東京府中大会事務局の大杉です。とうとう、明後日に大会が迫ってきました。事務局だけでなく授業スタッフもにわかに、忙しくメールのやりとりが続けられています。

さて、提案者インタビューの続きです。

今回は、高校代表として吉祥女子高等学校の徳山高志先生にお話をお伺いいたします。どうぞ、宜しくお願いいたします。

(徳山先生)こちらこそよろしくお願いいたします。



(大杉)まずは、初歩的な質問で申し訳ありません。私は、小学校の図工を担当
しています。中学校の様子は、少しは分かるのですが、高校となるとほとんどよ
く分かりません。授業数など、どのようになっているのでしょうか。

(徳山先生)
私の学校は、最近まで「芸術コース制」を敷いていましたので、一般的な高校と異なる時間割編成でした。
今もその延長線上で授業編成していますので、参考になるかどうかわかりませんが、少し話させて頂きます。

本校は私立の中学・高等学校で3年前に6カ年一貫制に移行いたしました。
その前年までは、高校は普通科6クラスの中に、芸術コース制のクラスを1クラス設けておりまして、コース制の歴史は40年に渡りました。
一般クラスが高1だけ週2時間の美術だったのに対し、コース内では週8時間×3か年の美術の授業時間数をもっておりました。
ですから、高1で「基礎」、高2で「応用」、高3で「受験対策」、のようにカリキュラムを組んで授業してきました。
クラスの約半分、20〜30名の生徒が美術専攻(10〜20名が音楽専攻)で、ほとんどが都内の美術大学に進学します。
おかげさまで、ここ10年来、都内の美大進学者数ではずっとトップクラスを維持してきています。
特にデザイン科への進学者数が多いのが特徴でしょうか。
また、芸術コース時代は高校入試を課して、クラスの半数から3分の2の生徒を高校の時点で募集していました。
一時期は都内でも、こうしたコース制を設けていた学校が複数ありましたが、現在ではほとんど見られなくなりました。
本校もいわゆる進学校として認知されるに伴い、学校の体制も変化しまして完全一貫制となり、
高校で外部からの進学者を迎え入れることをやめ、コース制から類型制に移行したのが、先述の3年前です。
類型制とは、高1までは皆同じカリキュラムで授業を受け、高2になって進路に応じ、文系・理系・芸術系(音・美)のいずれかを選択するという制度です。
高校で生徒を募集しなくなりましたので、現在、芸術系美術を選択する生徒はコース制時代の半分くらいの10数名になりました。
授業時間数は高1は芸術科目は音楽との選択制で2単位必修、高2で文・理系選択すると、もう美術の時間はありません。
一方、芸術系の美術を選択すると、高2・3と週に10時間、美術(実技)の時間を必修します。
内訳は6時間が絵画、4時間がデザインです。
「絵画」で、デッサン、油彩、水彩の基礎を学び、
「デザイン」では、プロジェクト演習で、前半にビジュアルコミュニケーション分野 ── CIデザインとかサインデザイン、
後半にプロダクトデザイン分野 ── 段ボール遊具の制作、を体験します。
高1の基礎期間が無くなっていますので、以前よりタイトなカリキュラム編成になっていますが、
授業では、コース制時代からの遺産を極力残すように意識しています。
美術科の専任教員は3名、他に非常勤の教員が6名、助手1名の10人体制で、授業は2名が一つの授業にあたるチームティーチング、
私は主にデザインの授業を中心に、彼女たち美術専攻生と濃い付き合いをすることになります。
このように時間の面では恵まれていますので、かなり密度の濃い授業展開が可能です。
これも美術系を選択した時点で、生徒の専門家志向(美大進学志向)が明確だからこそできることです。


(大杉)なるほど、そうすると芸術高校のような美術科ではなく、普通科であって、その枠内で授業設定しているけれども、かなり専門性を持った授業展開をしている、ということですね。
今回の発表では、どんな視点からお話ししていただけるのでしょうか。

(徳山先生)
実践として紹介させて頂くのは、二つあります。
一つは、高校の現場からの取り組みで、『高校生が社会と出会う』プロジェクト、
試みとしては「商店CIプロジェクト」「こどものための遊具制作プロジェクト」「体験・鑑賞一体型鑑賞教育プロジェクト」の三つがありますが、
今回は、最後の「体験・鑑賞一体型鑑賞教育プロジェクト」について、共同企画者も呼んで紹介します。
問題意識は、
〝構造改革はあらゆる分野で必要。将来、美術を続けていくには君たち高校生の世代が新しい実践モデルを創っていかなくちゃいけない。
 でも簡単にはモデル構築はできないから、まず現在の社会システムを実際に体験してみよう〟
ということで、高校生にちょっと背伸びをさせて、自主的な意識を育みながら、大人の自覚を持たせる試みです。
二つ目は、「高校美術」という枠からは離れますが、社会の現場からの取り組みで、
その高校生たちが大学生になって、少々時間のゆとりができたところで、私も当時メンバーだったNPO活動に絡めて実践した『大学生が社会を動かす』プロジェクト、
試みとしては「科学とアート・こどもフェスティバル」「杉並アニメーションミュージアムワークショップ」「西荻インフォマーシャルプロジェクト」など
複数の活動がありますが、その中でも最も規模が大きかった「科学とアート・こどもフェスティバル」について、当時のコアスタッフを呼んで紹介します。
こちらの問題意識は、
〝好きで始めた美術だけれど、だれでもが作家になれる訳じゃない。そんなら、作家になれなきゃ、美術をあきらめるしかないのか?
 そんな訳はない。じゃあ、どうやって美術に関わりながら社会に着地する方法があるだろう?〟
ということで、大学生に義務と責任を与えながら、社会の中での学びと仕事の〝場〟を探る試みです。

ただ、持ち時間も限られていますので、二つの活動をダイジェストで紹介させていただきながら、
こうした授業(活動)を実践するに至った「場をつくる」という基本的な考え方を発表させて頂こう、と考えています。



(大杉)「生徒が自主的に進める」というところに、高校生・大学生ならではのダイナミズムを感じます。
今年の2月に武蔵野美術大学との連携授業「旅するムサビ」でも先生の教え子が
私の学校まで来て積極的に取り組んでくれました。今回の発表でも、先生の教え
子が参加するとききました。すこし、紹介をしていただけますか。

(徳山先生)
「高校の現場からの取り組み」ということでは、昨年実施した「体験・鑑賞一体型鑑賞教育プロジェクト」のスタッフ ── チューターやコーディネーターとして活躍してくれた
東京藝術大学美術学部芸術学科4年の唐澤茉也さんとワシダアキさんを紹介します。唐澤さんは本校のOG、ワシダさんは彼女の大学での友人です。
ふたりは「からくりプロジェクト」という、彼女たちの同世代のアーティストの卵を自分たちのキュレーションで紹介するという活動を大学1年生の時から続けており、
私もずっと注目していたので、何か一緒にできる企画がないか相談して実現に至ったのが、この企画なんです。
幸いにもこの取り組みは第35回パナソニック教育財団の実践研究助成にも選ばれ、活動資金も得られたことで大きな広がりと深さを獲得できた企画となりました。
二人には、この実践について二人の視点で語ってもらおうと思っています。

「社会の現場からの取り組み」ということでは、「科学とアート・こどもフェスティバル」の中心メンバーで、
現在も民間の学童クラブの企画運営スタッフとして働いている山畑芙美さんを紹介します。
山畑さんはも本校OG、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、在学中からサステナブルプロジェクト、コミュニケーションデザインに関する取り組みをしてきました。
このフェスティバル企画では大学1・2年の2年間に渡ってプロジェクトマネジャーとしてスタッフをまとめるコアメンバーでした。
この企画は、ほぼ大学生のスタッフのみで、総参加者1,000人を超える規模のワークショップフェスティバルを実現した希有の取り組みで、
2005〜2007年の3年間で3回実施、杉並区・杉並区教育委員会の共催・後援、子どもゆめ基金・子育て支援基金・年賀寄付金助成などの助成も受けた
大掛かりなプロジェクトでした。
彼女には、現在時から当時の活動を捉え直す視点で語ってもらおうと思っています。



(大杉)ありがとうございました。
当日を前にして、<みんなで語ろう会>のテーマでもあります「今、子供を中心
に つながる」についてです。いろいろ取り組まれている先生から、これから、
取り組みたいなと思っていることなど、お話しいただければありがたいです。

(徳山先生)
当日の発表でも話しますが、私が大事にしていることは「間で考える=Inter Thinking」というコンセプトと「状況を遠近法で捉え、中景を創る」という方法論なんです。
こうした観点から現在取り組んでいる授業は、CIデザインの延長上にある「コミュニティカラー」の調査に基づくサインデザインプロジェクトです。
前提として、西荻窪地域の数カ所をサンプリングして街の中に見られる色彩傾向を調査分析(客観調査)し、
一方、住民アンケートを行うことで主観的な色彩イメージを把握、
ふたつを重ね合わせることで、地域に固有の色彩 ── コミュニティカラーを導き出します。
それを基に、駅前や公園など地域のランドマーク的な場所に「案内サイン」を制作して実際に現地に設置してみようというものです。
勿論これはマケットなので、恒久的に設置できるわけではないのですが、
ひとつの環境デザイン的試みとして、杉並区の環境課の方々も招いてプレゼンテーションしたいな、と考えています。
フィールドワークの舞台としてきた西荻窪地域を、また別の視点で切り取ることで、重層的に「知」を蓄積していこうということです。



(大杉)それは、また興味深い取り組みですね。
話は変わりますが、実は、私の友達も、先生と「トロールの森野外アート展」でご一緒しているみたいです。いろいろなところでつながりがあること感じます。
26日の発表楽しみにしています。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。

(徳山先生)
桃井四小の本永安芸夫先生ですね?
先生も精力的にプロジェクト学習に取り組んでいらっしゃいます。
「トロールの森野外アート展」や「まいまいハウスプロジェクト」では、本校OGもスタッフに加わって善福寺公園や桃井四小周辺を舞台に、非常にエキサイティングな時間を過ごさせて頂きました。
機会があれば、本永先生にも学び研で発表していただくと面白いと思いますよ。

ところで、当日は200名を超す参加者があると伺いました。
わざわざ全国から多数お出でいただくので、発表の補足とお土産用に冊子を3種類100セット用意しているのですが、全然足りません。
差し上げられるのは先着100名分になってしまいますが、ご容赦ください。


今日は、私の方こそどうも有り難うございました

会場にもなっております生涯学習センターのレストランで熱い思いを語っていた
だきました。


「子どもがいる大会」「参加型の大会」

美術による学び研究会 東京・府中大会では、「子供がいる大会」「参加型の大会」 をコンセプトにして、メンバーによる報告提案に加えて、公開授業「小学校6年生・中学生」・ 作品展示・意見交換会などを行います。緑の「府中の森公園」に集い、図工・美術の これから、子供達の未来について、語り合いましょう。

2010年4月
大杉 健

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申し込みつきましては、下記のフォーマットに(まる)をご記入の上、
manabi@mld.nifty.com
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多数の参加をお待ちしております。



<申し込みフォーマット>

美術による学び研究会に参加します。

氏名:
所属:
連絡先(メールアドレス等):

( )26日(土)公開授業・研究会に参加します。
( )26日(土・18:30−)懇親会に参加します。
( )27日(日)第5回鑑賞教育フォーラム・美術によるまなび研究会に参加し
ます。
( )27日(日)会場内レストランのランチを申し込みます。

<通信欄>